\カチンコ!/

新しい今日が始まるよ。映画好きアラサー男子がしたためる雑記ブログ✏︎

【映画】「怪物」に救われた、あの夏【怪物はささやく】

f:id:clapperboard2021:20210217031314p:plain

 Contents:

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

🎬 Introduction :  

さてこうしてブログを始めたものの、何から書くのがよいものかと、今日は1日中考えをめぐらせておりました。

映画の紹介記事を書くならば、公開中のホットな作品をピックアップする方が注目を集めやすいのでしょう。

新作のチェックも勿論欠かしておりませんが、せっかく書くのならば、自分自身が後になって読みたいと思えるものを書きとめたい。

 

今回は、思い入れの大きい作品のうち、筆者のパーソナルな思い出と強く共鳴した1本

怪物はささやくを取り上げることとしました。

 

 

怪物はささやく』A Monster Calls (2012)

 

www.imdb.com

 

記念すべき1記事目としてはやや「場違い」な感が否めませんが、

のっけからおセンチなモードでお送りします。

 

Trailer: 


映画『怪物はささやく』予告編

 

Story:

裏窓から教会の墓地が見える家で難病の母と暮らしている少年コナー。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという。嫌がるコナーをよそに、怪物は夜ごと現われては物語を語りはじめる。(出典:映画.com)

 

Staff:

●監督:J・A・バヨナ (🇪🇸)

『永遠の子どもたち』(07),

『インポッシブル』(12),

ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)

www.imdb.com

 

●原作/脚本:パトリック・ネス

 

Cast: 

ルイス・マクドゥーガル as コナー

www.imdb.com

 

フェリシティ・ジョーンズ as コナーの母  

www.imdb.com

 

シガニー・ウィーバー as コナーの祖母

www.imdb.com

 

トビー・ケベル as コナーの父

www.imdb.com

 

リーアム・ニーソン as 怪物 (声/モーション・キャプチャー)

www.imdb.com

 ⭐︎「怪物はささやく」は2021年2 月19日現在、Netflix/Amazon Prime Videoで見放題配信中。

 

🎬 の夏の話:

梅雨入りが近づく6月の頭、

筆者の母親が倒れ、救急搬送されました。クモ膜下出血でした。

 

詳細はともあれ、不運が重なったために発見が遅れ、事態は深刻。

母はなんとか手術を乗り越えましたが、執刀医からは「今夜が山場」と告げられ、

家族は心の休まらない夜を迎えます。

 

当時筆者は12歳、

「胸の張り裂ける思い」を経験するには、まだ充分に心が強くありませんでした。

 

翌日、意識が戻らぬまま、母は山を越えました。

「助かるかもしれない」という安堵よりも、その後を案じるモヤモヤが胸の内に広がり、沈んで行くのを感じます。

病室に入ることを医師から許可されるも、

その勇気がなく、筆者は入室を諦めました。

 

 

それから数日が経過し、意識が戻った後も、家族に同行するのは部屋の入り口まで。

必死に闘っている母親のもとに駆け寄って声をかけることもしないとは、なんと冷酷な息子だろうと子どもながらに自分を責めます。

しかし、どうしてもその先に進むことができません。

 

 

歳を重ねた今ならばその訳も理解できる。

しかし幼い自分には、何か見えない力が働いているとしか思えなかったものです。

 

母親にようやく顔を合わせることができたのは、それから2週間ほどたった後だったと記憶しています。

 

 

🎬 物が「ささやく」:

本作の主人公、コナー少年は13歳。

母親は重たい病気を抱え、辛い闘病の最中にあります。父親はとある理由から家庭を離れて暮らしており、ほかに頼れるのは気難しい祖母一人。

 

大病を患う母親と二人暮らしというだけで心苦しいものですが、毎晩のように続く悪夢、学校での孤立と、コナー少年は複数の問題に直面しています。

 

その彼のもとに、ある晩怪物がやって来る。怪物は少年とある取引を交わします。

それは怪物が3つの「物語」を話すかわりに、4つ目を少年に委ねるというもの。

 

怪物が語るおとぎ話は、いずれも少年には理解しがたい、荒唐無稽とも取れるものばかりでした。

しかしそれこそが「真実」であると怪物は言う。

 

激しい動揺を見せる少年に、怪物は4つ目の物語をと「ささやき」ます。

母親との死別は、そこまでやって来ていました。

 

 

🎬 盾をはらんだ心:

ときに深い悲しみや不安の前では、人の心は無力のあまり、大きく揺らいでしまうもの

その「揺らぎ」の延長に、矛盾した感情を抱いてしまうこともままあるのだと、

「大人」を迎えた人は皆、どこかで理解していると思います。

 

怪物が話す3つの物語によって、少年もまたこの世界の「割り切れない領域」を垣間見、

涙ながらに自身の物語を打ち明けます。

 

それはまさしく筆者の物語でした。そしてきっと、あなたの物語でもあるはず。

是非多くの人に、彼が語る4つ目の真実を分かち合ってほしいと願います。

 

 

筆者の母親はその後、奇跡的に回復し、

後遺症は残りましたが、今も実家で元気に暮らしております。(母強し!)

 

 

あの夏、母の病室に足を踏み入れようという時にも、幼い筆者の傍らで、きっと怪物はひっそりと「ささやい」てくれたのでしょう。

 

スクリーンを通した15年越しの再会は、きわめてエモーショナルな映画体験となりました。

 

まだ観ていない人がいるなら、観てほしい。

誰にとっても、忘れられない1本になるでしょう。

 

 

おしまい。